「この殺人事件の犯人って、すぐるくんのお母さんじゃない?って。心臓が飛び出るようだった。扉の隙間から覗いたテレビにフードで隠しているけどたしかに母さんがうつっていたんだ。今でもネットで検索したらそのときの写真があるんだ。そのとき悟ったんだ、ああ、もう俺のお母さんは帰ってこないし、二度と名前を呼んでくれることもないって。しかも不倫相手を刺しに行って、奥さんともどもやったらしい」
なにも言えなかった。彼のパーソナルは名前と好きなお酒の銘柄しかしらなかったから。
「家族がいないって、どんな気持ちだと思う?学校で友達と話していても、兄弟の話とか、両親のはなし、学校行事も家族が基準になってくる。みんながもっているものを俺だけがもっていない。一人でもいいからわけてほしいって何度思ったかわからない。園の先生も転勤とかでいなくなるんだ。あと園の先生にも家族がいるんだ。家族だけど、甘えられない」
母の背中を思い出した、あの丸みのある猫背に安心感がある姿。
彼にはその思い出などがなにもないのだ。気づいたら涙が溢れていた。
どうしようもなく、やるせなくて。
なにも言えなかった。彼のパーソナルは名前と好きなお酒の銘柄しかしらなかったから。
「家族がいないって、どんな気持ちだと思う?学校で友達と話していても、兄弟の話とか、両親のはなし、学校行事も家族が基準になってくる。みんながもっているものを俺だけがもっていない。一人でもいいからわけてほしいって何度思ったかわからない。園の先生も転勤とかでいなくなるんだ。あと園の先生にも家族がいるんだ。家族だけど、甘えられない」
母の背中を思い出した、あの丸みのある猫背に安心感がある姿。
彼にはその思い出などがなにもないのだ。気づいたら涙が溢れていた。
どうしようもなく、やるせなくて。

