あの子と俺が出会った場所。
一度だけ、あの子と遊んだ場所。
『前から思ってたけどさぁ、こんなに星が綺麗に見える公園どうやって見つけたん?』
來翔が俺に、そう問うた。
『星が綺麗に見えるとか、お前結構ロマンチックだな』
でも俺は、この公園を見つけた理由だけは一人、胸の中に大切にしまっておきたくて、わざと來翔をからかった。
『おい!話逸らすなよー』
入学当初はやっぱり少しだけ二人も俺と対等に接することを遠慮していたようだが、いつの間にか俺達は友人のように親しくなっていた。
『本当だ。……星、綺麗だな』
バイクから降りた滉大が感動したような声を出して夜の空を見上げていたので、俺も釣られて見上げる。
そこには、真っ黒な空を埋め尽くす程の数千もの星がキラキラと輝いていた。
俺の頬に何か熱いものが流れ落ちる。
『はっ、……裕翔、なんで泣いて……』
來翔が驚いたように俺の顔を見つめていた。
その言葉に俺は自分の頬に触れる。
それは、涙だった。
『あ、ほんとだ……。はは、俺なんで泣いてんだろ』
『大丈夫かよ、裕翔』
來翔と滉大が心配そうに俺を見つめていた。
『俺さ、……昔からヤクザの息子っていう事がめちゃくちゃ嫌だった。それだけ人から避けられたり恐れられたりするしな、……』
二人は黙って俺の話を聞いてくれた。