双子じゃないのに、瓜二つの俺たちは、考えていることも、行動も、同じになってしまっていることの方が、多かったと思う。そう思ったのは、裕翔に初めて会ったあの日からだ。


『裕希。これからはね、……嬉しかったことも、悲しかったことも、全部話していいからね。私はちゃんと、受け止めてあげられると思うから』


心の中を、読まれたのかと一瞬本気で思った。喉からひゅっと音が出てしまうくらい、俺は焦った。

まだ、中学一年生。まだ、十三歳。

そんなことを、忘れてしまうくらいに、桜十葉の瞳の色は、俺よりも遥かに、大人だった。八歳も歳上なのに、桜十葉のほうが何倍も、人生を生きてきたような気がして仕方がない。

それと同時に桜十葉のことを、心底恨めしく思ってしまった───。

俺とは違う、その子に。幸せを沢山もらえているその子に。

欲しい欲しい欲しい、……俺だって、普通の人として普通の暮らしをしたい。これは、小学生の頃に思っていたこと。

学校にも行かせてもらえず、暗い部屋で、大きすぎる部屋で、一人パソコンに向かって勉強をする。

それが、最低限の親の愛だと思いたかった。思いたかったけれど、俺たちにはそれが、出来なかった────。