一に壱華、二に壱華。三、四がなくて五に壱華。


いいか実莉、生き抜くために壱華を第一に考えろ!


相川壱華、彼女は『闇色のシンデレラ』の主人公であり、運命の荒波に翻弄されるヒロイン。


確か、運命の相手に出会うまでに、かなり酷い目に遭うんだよ。


まずい、ストーリーがうろ覚えだから思い出さなきゃ。



「みのりちゃん、あそぼ」



ひとりきりになれるパパの書斎で頭を悩ませていると、ドアを開けて壱華がとことこやってきた。


壱華は早生まれだから、やっと4歳になったばかり。


だけど整った顔立ちが圧倒的で、とんでもない美人に育つのは分かる。


しかも早生まれなのにもうひらがな読めるし、かなりの才女だったんだなと感じた。