「なんで走る時とか階段降りる時に胸に手を添えるん?」

「だって揺れるから。押さえつけてるの」

「そういうこと!?大変やなぁ、おっぱい大きい子って」



実莉はFカップの巨乳の持ち主だ。


ちょっとでも動くと胸が暴れ出して大変なことになる。


胸を支えるクーパー靭帯は一度切れたら戻らなくて垂れるっていうし、いつも揺れないように押さえて丁重に扱っている。



「デメリットしかないよ。揺れる感覚が気持ち悪いし邪魔だし。
胸が大きいと、どっかの誰かさんみたいに邪な目で見てくる男ばっかりだし」



いつまで経っても私の胸に執着する大希をじろりと睨む。


しかし大希はいたって真剣な顔で、説得するように私の肩を掴んだ。



「大丈夫、ほかの奴らが指一本も触れんように、実莉のおっぱいは俺が守ったる」

「あんたのものでもありませんけど!?」

「怒った顔もかわいいなんて罪な子やな〜」

「マジで大希との会話不毛だわ、私もう行くから!」



仕事に戻る宣言をしたのに、大希は肩を掴んで離さない。



「実莉、今からちょっと話さん?」