「お目覚めか、女神サマ」



その時、壱華の部屋の中から望月の声がした。



「っ……誰?」



そして焦って怯える壱華の声も。


望月と壱華が対話している。


だから赤星は私の邪魔をしたのか。



「ああ、こらこら、無理して起きんでええって」

「触らないで……!」



抵抗する気はなかったけど、壱華の悲痛な声が聞こえて飛び出した。


すぐ確保されてまた動けなくなったけど、開いている襖から望月と壱華の様子が見えた。


そこには布団から上体を起こした壱華と、あぐらをかいて布団の横に座る望月が。


私がいる位置から壱華の顔は見えなかったけど、望月の顔ははっきり分かった。