ただでさえ実莉の顔は童顔で舐められやすいから、強気で大人っぽい女に見えるメイクに挑戦した。


これで望月の気分が変わるとは思わないけど、物は試しだ。


よし、とりあえず壱華に会いに行こう。



「壱華、おは……ムグッ!」



壱華の部屋の襖が空いていたから、少し離れたところから声をかけたその時、後ろから羽交い絞めされて口を塞がれた。


また望月か!?と思って顔を上げると、赤星が人差し指を顔の前に立てて静かにするよう促していた。


てっきり望月と思ったから驚いた。