壱華は顔面蒼白でしばらく黙って車の中で震えていた。


体調が優れないせいもあるのだろう。しばらくすると気絶したように眠ってしまった。


病院に行って点滴したって言ったっけ。


おでこを触った感じ熱もそこまで高くないから大丈夫。


後部座席は回転して向かい合わせになっている。


私は佐々木とその部下に監視され居心地に悪い中、壱華に膝を貸して頭を撫で、気分を落ち着かせようとしていた。


目をつぶると、優人が自ら命を絶った瞬間の映像が何度も流れ、脳裏にこびりついて離れない。


眠ることすらできず、ただひたすら壱華の手を握った。



「さて、相川実莉さん」



すると、私の前に座っていた佐々木が口を開いた。