1月11日。その日は壱華が朝から発熱があるため志勇が病院に連れて行ったと聞いた。


帰って来る時間を見計らって、マンションの裏側の立体駐車場の近くに車を停めて待機していた。



「これだけあれば足りるかな」

「十分すぎると思うよ」



手にはスポーツドリンクやゼリー、冷却シートなど具合が悪い時にあると役立つグッズを大きめのレジ袋いっぱいに買って大事に持っていた。


車を出してくれたのは半年前に免許を取った光冴。



「心配だな、この時期に熱って、インフルじゃないといいけど」

「優しいな、実莉は」



潮崎組本家から車を借りてきたのは理叶。


さすが未来の若頭。理叶が車を一台用意してくれというだけで、すぐ本家のおじさんたちは動いてくれた。