前世の記憶を持ったまま、生まれ変わった先が美少女。


しかも親が金持ち。


転生ガチャ大当たりじゃん!と狂喜乱舞していたけどそれどころじゃない。



「よ、よろしくねぇ」



なんとかこの世界で生き抜かねば。


生きるために知恵をつけなければ、私の命が危うい。


幸い、私はまだ悪女としての頭角を表していない、3歳の幼女。


物語の歯車は、まだ大きく動き出してはいない。


だけど私に変えられる?この理不尽な世界を?


いや、やるっきゃない。


私は決意を胸に、父親に抱かれる壱華の真っ黒な美しい瞳を見つめた。