「邪魔をしているとなぜ言い切れる」

「彼女は父親と同じく、壱華の秘密を知っています。我々にたどり着くのも時間の問題かと」



山城は説明を大人しく聞くと、邪念と憎悪に満ちた目で画面の中の実莉を見つめた。





「この女……先に潰すか」




残虐な魔王の下す手段はいつもひとつ。この世から消し去ること。


我々としては、壱華さえ生きていれば他がどうなろうと知ったことではない。


相川実莉には仕方ないが、西雲の再興のための生贄になってもらおう。


「“あのガキ”はまだ使えるだろ。家族を盾にゆすって殺すように命じろ」

「かしこまりました」



私は深く頭を下げ、彼の命令に従う素振りを見せた傍ら、極山への復讐心に燃えていた。