志勇を見て大きく目を見開いた柄シャツのおじさんは、志勇に頭を下げると低い態勢のまま近づいてきた。


にしても志勇、態度悪すぎ。


「何かあったのか」


と思ったけど、異変を察知しての発言だったらしい。



へえ、志勇が目を見て話してる。ここにいる人たちは、少なくとも志勇が目を見て会話できるほど心を許してる組員みたいだ。


そんな信頼している臣下である柄シャツおじさんは、バツが悪そうにうつむき加減に口を開いた。



「……佐々木です」



ササキ?なんだっけ、どこかで聞いたことある名前だ。



「チッ……マル暴かよ」



誰だっけと考えていたら、志勇が“マル暴”と発したことで思い出した。


マル暴の佐々木……闇色のシンデレラの重要人物だ!