「実莉……」

「うん、どうしたの?」

「……壱華のことについて、聞いて欲しい話がある」



やせ細った腕を伸ばし、私の手を強く掴むパパ。


ああ、やっぱりそうか。


パパが伝えたかったのは、壱華のことなんだね。


どうにか自分で解決したい、そう思っていたのに志半ばで病に伏してしまった。


私を巻き込みたくないけど、私にしか託せないんだ。


分かってるよパパ。私が新たな生を受けてここに存在しているのは、きっと壱華を救うためだから。


その役目を果たすために、私は今まで頑張ってきた。