「颯馬、壱華のすっぴん見んな」



すると、なぜか志勇も壱華の顔を隠した。


出たよ独占欲お化け。壱華のすっぴんも独占したいわけ?



「分かった、じゃあ俺は説得しないからひとりで頑張って。涼ちゃんと楽しくお話してくる」



颯馬は相変わらずの志勇にため息をついたけど、次の瞬間笑顔になって「おはよう涼ちゃ~ん!」と涼の部屋のドアを開けていた。


何しに来たんだこの兄弟。ダメだ寝起きで理解が追いつかない。


でも、志勇が壱華を引き取りに来たというのはとりあえず分かった。



「一週間って言われたじゃん!志勇離れてよ」

「お前の誕生日まで我慢してやったんだからいいだろ」

「やだ!私のお姉ちゃんなの!」



ラスト1日を大切に過ごそうとしたのに邪魔されてたまるか。


志勇の腕を掴んで壱華からひっぺがすと、反対の手で顔をがしっと掴まれた。



「んむぅ、んー!」

「お前のすっぴん眉毛ねえな」

「ぷはっ、今その話関係なくない!?」