は?なんで志勇がここに?まだ6日目ですけど?


寝起きで頭が回らずぼーっと眺めていると、志勇は壱華の顔に唇を寄せた。



「だーっ!私の目の前で壱華にキスすんな!」


目の前でイチャつかれるのは許せなくて、志勇をチョップしようと手を伸ばしたら、ノールックで手首を掴まれた。


くっ……こやつ、やるな。



「チッ、そのまま寝てりゃいいものを」

「なんなの?不法侵入じゃん!まだ6日目なんですけど!」



志勇は私の手首を掴んだまま、結局壱華と唇を重ねた。


身内のそういった場面を見るのは恥ずかしくて嫌だったのに、あまりにも絵になる構図に暴れるのをやめた。


まるで眠り姫に唇を寄せる王子様みたいだ。


脳内から全ての疑問が消え去って、ただ呆然と2人の様子を眺めていた。