「いつも実莉を助けてくれてありがとう。これからもよろしくお願いします」



俺に対して深く頭を下げる壱華。


荒瀬志勇と近しいわけでもない俺に丁寧な対応をするということは、彼女は本当に人が良いんだろう。


こういう純粋な部分は、姉妹そろってそっくりだ。



「こちらこそ、実莉のおかげで毎日楽しく過ごさせてもらってる」

「そう思ってもらえてよかった。実莉も潮崎に来てから毎日楽しいみたい」



笑う壱華は華やかで綺麗だったが、美しいと思う気持ちは疑問にかき消された。


離ればなれになったことを、なんとも思っていないのかと。