「自信満々の顔腹立つ」

「俺が壱華が好きで守りたいと思うから、お前もその恩恵にあやかってんだ。感謝して欲しいくらいだな」

「はいはい」



それは分かってるけど、いちいち彼氏ムーブをかます志勇が腹立つ。


言い合いながらお寺を後にして歩いていると、壱華が立ち止まって私たちの方をじっと見た。



「……志勇、実莉にそんな言い方しないで」

「大丈夫だよ壱華。志勇は好きな人以外には愛情表現が下手くそすぎて、こういう言い方しかできないだけだから」

「そういう問題じゃないの」

「……そう?」



まじめな壱華は、志勇のひねくれた発言を真に受けてしまったみたい。


弁解したけど、腑に落ちてない様子。


昨日電話した時はこんな様子じゃなかったのにどうしたんだろう。


なんか、いつもの壱華らしくないというか。