あの事件から1週間後の8月14日。初盆を迎えた。


私と壱華は喪服を着てお墓参りをした後、お寺での合同法要に参加した。


先週のこともあって、護衛を5人も引き連れての法要だったけど、無事に終わって一安心だ。



「で、なんで志勇がついてきたわけ?」



ところで、家族でもない志勇が一緒に参加したのははなぜだろう。


この暑い中、涼しい顔をして壱華をエスコートしている志勇に話しかけた。



「いずれ家族になるんだ。事前に壱華の親父に挨拶しておかねえとな」

「パパは反社なんて断固拒否すると思うけどね」

「しねえだろ、壱華を護れるのは俺だけだ」



志勇の発言には一理ある。

目には目を、歯には歯を。

ならず者の集団であるヤクザから壱華を守れるのは、日本一巨大な組織である荒瀬組だけだ。


本当に壱華を愛していると知れば、パパも最終的にふたりの恋愛を許したはずだ。