「え、何?」

「どっちの胸がいい?」

「いや、どっちも大丈夫……」



抱きしめて慰めてくれるらしいけど、2人とも胸筋が分厚くて硬いから嫌だ。


断ると理叶と光冴は顔を見合わせ、同時にニヤッと笑った。



「遠慮すんなって」

「選べないなら一緒に抱きしめてあげよっか」

「違うって……ぐえっ!」



結局硬い胸板に挟まれる結果になってしまい、私は苦しくてカエルみたいな声を上げた。


暑いし窮屈でジタバタ暴れていたけど、ぬくもりと心音に切なさを覚えて、大人しく胸板サンドに挟まれることにした。


だっていつまでこうして平和な時間が続くか分からないから。


今日くらい甘えてもいいよね。


そう思い、2人の腕にぎゅっとしがみついた。