兄である神木優人は、拷問され脅された挙句『相川壱華を殺せ』と命じられ失敗して帰らぬ人となった。


若頭の所有物を傷つけられた荒瀬組は報復として、虫の息だった優人を生きたまま火葬し、所持していた拳銃と骨壷を神木会に送り付ける。


その拳銃で神木の組長とその妻は自害し、弟は絶望の中壱華に復讐を誓う——それは紛れもなく、作中史上最悪の悲劇だった。



「大丈夫、実莉はよく頑張ってる」

「そうかな……」

「うん、たまには自分を褒めてやりな」



どうにか2人を救いたいから、黒帝の力を借りて東奔西走している最中だった。


かなり振り回したのに理叶と光冴は私を励ましてくれる。


本当にいい友達だ。思わずうるっと来て目頭を押さえると、なぜか2人とも腕を広げた。