壱華には、壱華も知らない秘密がある。


その秘密は、裏社会の重鎮が自ら動くほどの事案。


これまでは何とか自分の力で改変できたけど、今後は規模が大きすぎて太刀打ちできない。


もちろん、私だって馬鹿じゃないから、来る脅威に備えるため、抜かりなく地盤を固めたつもりだ。


本来の『闇色のシンデレラ』の物語のスタート地点に立つまであと半年。


できる限りのことはしておきたい。



理叶(りと)光冴(こうが)いる〜?」



学校終わり、私は開店前の1軒のバーに立ち寄って店の扉を開いた。


ちなみに壱華は都内の女子校に通っている。


壱華が秀才すぎて同じ高校に行くのは断念したけど、諦めたおかげで“この人たち”と接触できた。