かくして私はひとりで組長夫妻と会わなければいけなくなった。


颯馬に助けを求めたけど、『親父が機嫌が悪い時は関わりたくない』って突っぱねられた。


薄情者め……さすがの私も荒瀬組の親玉と対峙するのは緊張するのに。


だけど司水さんが付いてきてくれると言うから、ほっと胸をなでおろして壱華たちと別れた。


司水さんの後を追い、応接間に向かうと黒い襖を開けられ、中に入るよう促された。



「失礼します」



一礼して中に入り、そして私は絶句した。


なぜなら、言葉を失うほどの絶世の美女が部屋の奥に座っていたから。