「あ?俺には大好きなんて言ったことねえのに」

「ぶっはは、兄貴まだまだみーちゃんには適わないね!」



志勇は思い切り顔をしかめ、颯馬はそれを見て腹を抱えて笑っている。


まあまあ、そんな顔しないでよ志勇。


私の夢は、幸せそうな壱華と、その子どもたちに囲まれて過ごすこと。


その夢は志勇がいなきゃ実現しない。


いつかは私に向けられている壱華の愛情も全部譲ってあげるから、今くらいふたりきりでいさせてよね。


暗雲たちこめる運命の中で、夢すら叶わないかもしれない。


その覚悟の中で私は生きてるんだから。