憂雅くんも「みのり、にこにこだねぇ」と太陽のような微笑みを見せてくれた。


中断した泥団子作りを再開して磨いていると、後ろから壱華の声が聞こえた。


振り返ると、志勇の隣に立つ、微笑みをたずさえた壱華がそこにいた。



「えっ、壱華大丈夫なの!?嫌な目にあったって聞いて……」

「大丈夫、お母さん……紘香さんは私たち姉妹の味方だって言ってくれたから」



さすが、原作とは違って家族に愛されて育った壱華だ。


ちょっとやそっとでブレないメンタルで良かった。


そして姐さんが味方なのは好条件。


確か組長は妻には頭が上がらない男だった気がするから、彼女を味方につければ大抵の困難はクリアできそう。