まず、潮崎組の人に車を出してもらって志勇の家に向かう。


マンションの立体駐車場でたまたま颯馬さんと落ち合ったから、2人で部屋の中に入った。



「壱華、会いに来たよ!」



陽気に両手を広げてリビングに入ったものの、志勇がリビングのソファに座っているだけで壱華の姿は見当たらない。



「あれ、早かった?」

「ちっ、クソ……」



リビングに入ると、なぜか志勇は立ち上がって舌打ちをした。


そして迷わず私の方に一直線に歩いてくる。


え、なんでそんな怖い顔してんの!?殴られる!?


ぎゅっと目をつぶったら、頬に違和感を覚えた。