あの冷静沈着な闇の帝王が壱華に執着してる。


予想外だった。だって私が転生した後の壱華は“悲劇のシンデレラ”ではないから。


継母と義理の姉妹に虐待され、信じていた人々に裏切られ人生に絶望した少女。


志勇がその境遇に同情して世話をしていくうちに好きになったと思っていたのに、今の壱華に対しても独占欲が芽生えてる。



「分からない、だが離したくない」

「……ほーん」

「どっか行けよ、壱華が目を覚ましたらお前を優先するから」



おっと、マジか。私にまで嫉妬心むき出しなんだけど。

さてはふたりきりになりたいんだな。かわいいこと言うじゃん!