だが、杖を持って両親から魔力をコントロールする方法を教えてもらっても、イザベラは魔力をコントロールすることができず、何度も屋敷を半壊させてしまう。

「うちの家系の汚点だ!」

「こんな子、うちに置いておけない!」

両親はイザベラを気味悪がり、イザベラが六歳になった頃に杖を取り上げ、孤児院に捨ててしまった。イザベラは捨てられたことを理解し、泣き喚いて孤児院を半壊させてしまうほど悲しんだ。

物に触れなくても壊してしまう誰が見ても普通ではないイザベラは、孤児院でも気味悪がられ、大人や子どもたち全員からいじめられることになってしまう。そのたびに魔力は勝手に暴走し、相手に怪我を負わせてしまうこともあった。

「私、好きで人を傷付けているわけじゃないのに……!」

傷付けたくない、そう思っていても魔力は勝手に動いてしまう。人を傷付けてしまうたびに、また誰かから怒りを買う。そんな日々が続き、イザベラは「私は生まれてきてよかったのかな」と毎日のように考えていた。