あの後保健室の先生が戻ってきて、星空は丁寧にお願いしますとだけ言って教室に戻ってしまったけど。



「ええ子やなあ。うらやましいわあ」

「……もしかして、聞いてました?」

「ハーブティーおかわりいるやん、持ってくるわ〜」




またすぐ奥の方へと消えていくのを見送り、思わず吹き出してしまう。


いつの間にか吹き飛んでしまった憂鬱と痛み。


やさしいハーブの香りに包まれながら、教室に戻ったらまず何を話そう――そんな事を考えながら私は保健室で、星空を想いひとり夢想する。




あみぐるに“ほしぞら”と名前をつけて。