「ただいま」
「おかえり。起きたらいないから心配したぞ」
玄関のドアを開けると翔太はもう起きていて、テーブルには美味しそうなハムエッグとトーストが二人分並んでいた。
「朝ごはん作っておいてくれたの?ありがとう!」
「たまには俺が作ろうと思って。
……その、いつも飯とかありがとうな」
照れくさそうに言う彼に、どうしようもない愛しさが込み上げてきた。たまらず抱きしめると、優しく抱き返される。
どうしよう。今、すごく幸せだ。
「ネックレス、つけてくれたんだな」
ネックレスに気がついた翔太は嬉しそうに顔を綻ばせる。
「うん。いつもは無くすのが怖くてつけられなかったんだけど、今日はつけてみた。……初めてつけるのがゴミ捨てでごめんね?」
「謝る必要ないだろ。つけてくれて嬉しいよ。……一度もつけてくれなかったから、気に入らなかったのかって思ってた。大事にしてくれてたんだな」
「もちろん。翔太からの贈り物だもん」
さっきよりも強く抱きしめられた。耳元で大好き、と囁かれる。
「ねぇ、どこでもいいからさ、今度二人でどこか行こうよ。これつけて色んなところ行きたいな」
「今度と言わず、今日にしようぜ」
「……うん!じゃ、早く朝ごはん食べよっか!」
私は急いで席につき、いただきますを言った。目玉焼きは黄身の形がなんだか歪でトーストは焦げていたけどおいしかった。
「あのさ」
「ん?なに?」
「プロポーズの、返事だけど」
そう切り出すと、彼のコーヒーを飲む手が止まる。緊張しているのか、変な声でうん、と相槌を打った。
「……私、天邪鬼だから、これから先素直になれないことも多いと思う。また翔太を怒らせちゃうかもしれない。でも、こんな私でよければ……」
翔太を見上げた。視線に気づいて彼もこっちを見る。彼は発熱したように赤くなっていた。彼の瞳の中の私も、彼と同じようになっているのかな。
息を一つ吸って、吐く。
「私と、結婚して」
翔太の瞳がうるうると輝いて、その後ふにゃりと笑った。
「それじゃあプロポーズじゃねぇかよ」
「あ、ホントだ」
私たちは顔を見合わせて笑った。
「俺も素直になれないけど、結婚してくれるか?」
「うん。もちろん」
再び彼は私を強く抱きしめ、私もそれに返した。
これから先、私たちは素直になれないことの方が多いかもしれない。だけど、この幸せが続きますように
「おかえり。起きたらいないから心配したぞ」
玄関のドアを開けると翔太はもう起きていて、テーブルには美味しそうなハムエッグとトーストが二人分並んでいた。
「朝ごはん作っておいてくれたの?ありがとう!」
「たまには俺が作ろうと思って。
……その、いつも飯とかありがとうな」
照れくさそうに言う彼に、どうしようもない愛しさが込み上げてきた。たまらず抱きしめると、優しく抱き返される。
どうしよう。今、すごく幸せだ。
「ネックレス、つけてくれたんだな」
ネックレスに気がついた翔太は嬉しそうに顔を綻ばせる。
「うん。いつもは無くすのが怖くてつけられなかったんだけど、今日はつけてみた。……初めてつけるのがゴミ捨てでごめんね?」
「謝る必要ないだろ。つけてくれて嬉しいよ。……一度もつけてくれなかったから、気に入らなかったのかって思ってた。大事にしてくれてたんだな」
「もちろん。翔太からの贈り物だもん」
さっきよりも強く抱きしめられた。耳元で大好き、と囁かれる。
「ねぇ、どこでもいいからさ、今度二人でどこか行こうよ。これつけて色んなところ行きたいな」
「今度と言わず、今日にしようぜ」
「……うん!じゃ、早く朝ごはん食べよっか!」
私は急いで席につき、いただきますを言った。目玉焼きは黄身の形がなんだか歪でトーストは焦げていたけどおいしかった。
「あのさ」
「ん?なに?」
「プロポーズの、返事だけど」
そう切り出すと、彼のコーヒーを飲む手が止まる。緊張しているのか、変な声でうん、と相槌を打った。
「……私、天邪鬼だから、これから先素直になれないことも多いと思う。また翔太を怒らせちゃうかもしれない。でも、こんな私でよければ……」
翔太を見上げた。視線に気づいて彼もこっちを見る。彼は発熱したように赤くなっていた。彼の瞳の中の私も、彼と同じようになっているのかな。
息を一つ吸って、吐く。
「私と、結婚して」
翔太の瞳がうるうると輝いて、その後ふにゃりと笑った。
「それじゃあプロポーズじゃねぇかよ」
「あ、ホントだ」
私たちは顔を見合わせて笑った。
「俺も素直になれないけど、結婚してくれるか?」
「うん。もちろん」
再び彼は私を強く抱きしめ、私もそれに返した。
これから先、私たちは素直になれないことの方が多いかもしれない。だけど、この幸せが続きますように

