「おはようございます、大谷さん」
「あら、おはよう」
朝のゴミ捨て場には大谷さんだけがいた。
あいさつをすると返してくれる。
「……昨夜は、お楽しみだったようね。これからは気をつけるって言っていたのに」
その嫌味にボッと顔が熱くなる。甘い雰囲気に流されて壁が薄いのをすっかり忘れていた。
羞恥で硬直していると大谷さんが私の胸元を指さした。
「そのネックレスはどうしたの?」
「え、あぁ、これですか?彼氏が……翔太が昨年の誕生日にくれたんです。いつもは眺めるだけなんですけど、たまにはつけてみようかなって思って……」
そこまで言ってハッとなる。余計なことまで話してしまったかもしれない。
ふんっと大谷さんは鼻を鳴らして背中を向けた。
「すっかり仲直りしたのね。今まで迷惑かけられていたのは一体なんだったのかしら」
「す、すみませんホント……」
「……ようやく、あなたたちが幸せになれそうで安心したわ。これからは迷惑かけないでちょうだいね」
「えっ?」
顔を上げると、大谷さんの耳は赤くなっていた。
「そのネックレス似合ってるわよ。じゃあね」
そう早口に言うと大谷さんは走っていってしまった。
もしかすると大谷さんは私たちのことを心配してくれていたのかもしれない。
定かではないけれど、そう思うと胸の辺りが温かくなった。
「あら、おはよう」
朝のゴミ捨て場には大谷さんだけがいた。
あいさつをすると返してくれる。
「……昨夜は、お楽しみだったようね。これからは気をつけるって言っていたのに」
その嫌味にボッと顔が熱くなる。甘い雰囲気に流されて壁が薄いのをすっかり忘れていた。
羞恥で硬直していると大谷さんが私の胸元を指さした。
「そのネックレスはどうしたの?」
「え、あぁ、これですか?彼氏が……翔太が昨年の誕生日にくれたんです。いつもは眺めるだけなんですけど、たまにはつけてみようかなって思って……」
そこまで言ってハッとなる。余計なことまで話してしまったかもしれない。
ふんっと大谷さんは鼻を鳴らして背中を向けた。
「すっかり仲直りしたのね。今まで迷惑かけられていたのは一体なんだったのかしら」
「す、すみませんホント……」
「……ようやく、あなたたちが幸せになれそうで安心したわ。これからは迷惑かけないでちょうだいね」
「えっ?」
顔を上げると、大谷さんの耳は赤くなっていた。
「そのネックレス似合ってるわよ。じゃあね」
そう早口に言うと大谷さんは走っていってしまった。
もしかすると大谷さんは私たちのことを心配してくれていたのかもしれない。
定かではないけれど、そう思うと胸の辺りが温かくなった。

