好きだから、触れる。




「……あの、ね」


何から伝えよう。
何から打ち明けよう。

言葉にしたい想いはたくさんある。


誰でもいいってわけじゃない。
彼だから、話そうと思ったんだ。


一瞬だけ触れた、彼の指の感触を忘れてしまうまえに。




「あのね、」

















【完】