黒い龍は小さな華を溺愛する。


裏門から出てていく常盤くんは堂々としていて、バレると面倒くさいというわりには隠れたりもしない。

私なんてサボるのが初めてだからひやひやしてるというのに。


その時、私の鞄を持たせっぱなしだったことに気づいた。


「鞄すみませんっ重かったですよね……」


「別に?」


絶対重いはずだ、だって毎日教科書を全部持ち帰ってるんだから……。


なのに私に鞄を渡さず肩にかけたままスタスタ歩いている。


なんだか申し訳ないな……。


その時「あの人かっこいい」という声が聞こえた。


気付くと大通りまで来ていて、道行く人が常盤くんを見ている。


だよね……髪をハーフアップにしている常盤くんは色気ありすぎだしスタイルもよくてモデルみたいだ。


「なぁ、飯食わね?」


「あ、そういえばお昼まだだった……私パン持ってきてて」


さっき鞄に詰め込んだパンを思い出した。

急いでいたからつぶれてるかも。


「じゃあ俺もここで買うから寄ってい?」


「はいっ」