黒い龍は小さな華を溺愛する。


私の方を向いた常盤くんはいつもの常盤くんで、少しホッとした。


……のも束の間。


私の手首をひっぱり歩き出す。


え!?手、手ーーーー!


頭が真っ白になってただひたすら足だけ動いている感じ。


そのまま生徒玄関のところにつくと、パッと手が離されたのでほっとした。


紫藤くんが「おっそー!」と口を尖らせて待っている。


「遅くなってごめんなさい!」


まだ心が落ち着かないけど、なんとか平常心を保たないと。


「いーよーこんなかわいい子に謝られたらなんでも許すわ」


「宗佑悪い、今日一人で帰ってくんね?」


突然常盤くんがそんなことを言うので驚いた。


「は!?なんで急に!どゆこと!?」


「沙羅と話がある」


わ、私と……?


紫藤くんが


「なんでだよー!俺がいちゃダメなわけ!?」


と駄々をこねている。


「ダメ」


「っはー、わかったよ。貸し2な?今度なんか奢れよ?」


「そのつもりだから」