黒い龍は小さな華を溺愛する。



「相羽晃汰くんだよ」


私がそう言うと相羽くんが常盤くんに近づいて行った。


「常盤、わかってるよな?俺と沙羅が付き合ってること」


え……?


この人何言ってんの?


「ちょっ、私たち別れて……」


「別れてないよ、勝手に沙羅がそう思ってるだけでしょ」


この喋り方……。

顔を見るとわかった。


これは演技してる時の表情だ。


「違うっ……何言ってんの!?」


その時常盤くんが私の前に出て、相羽くんの前に立った。


相羽くんも身長が175cmはあるはずなのに、常盤くんの方が背が高くて少し見下ろすかたちになる。


無言で見下ろしている常盤くんに対して、相羽くんが「なんだよっ」と威嚇した。


「違うらしーけど?」


たった一言そう言っただけなのに、相羽くんは怯んでいるようだった。

よく顔は見えないけど、威圧感がすごくて私まで怖くなってしまった。


それっきり相羽くんは黙ったままで、その場に立ち尽くしていた。