黒い龍は小さな華を溺愛する。


「そ、こ、で!なんだけど……。宇崎さんが彼女になってくれたら他のアタマも黙ると思うし、ストーカー女も諦めるんじゃないかと~」


「宗佑、いい加減にしろよ?」


常盤くんが後ろから紫藤くんの口を無理やり押さえた。

常盤くんの彼女になるなんて……夢にも思ったことない。

彼女がいるのといないのじゃ違うと思うけど、嘘でも彼女になるなんておこがましい。


「沙羅」


突然呼ばれてドキッとした。


まだ名前呼びに全然慣れない。


「な、なんですか!?」


「宗佑が言ってんの気にしなくていいから」


結構強めに押さえつけられてて、紫藤くんが苦しそうだ。


「はい……」


そう言ったものの、私の中でモヤモヤが残っていた。


私なんかがどうにかできる問題でもない。


でも常盤くんにはお世話になってるし、力にはなりたい。


キーンコーンカーン……


予鈴が鳴ってしまった。


ようやく解放された紫藤くんは笑いながら呼吸を整えている。


「ったく、加減しろよな!?」


「うるせー、お前が悪い」