黒い龍は小さな華を溺愛する。


「うん。やっぱ噂なんてアテになんねえなぁ。夕晴も俺も噂とか嫌いなんだよ。本当かどうかもわかんねーくせにどんどん話を盛ってって、勝手に広がっていくだろ?だから実際に自分の目で見て、聞いたもの以外信じないようにしてんの」


「わかる気がします……」


私なんて悪い噂ばかりで、誰も私の言葉なんか信用してくれない。

だからそういう考えの人もいるってことが嬉しかった。


「何の話?」


その声に振り返ると、常盤くんがPCルームの入り口に立っていた。


いつの間にいたんだろう!


「夕晴!遅かったなー」


「めんどくせー説明が長くて」


そう言って近づいてくる姿を見て、変にドキドキしている。


この姿見たらなんて言うかな……。


私と目が合うとじっと見つめられた。


自分の心臓の音がうるさいくらい鳴り響いてる。