「髪変えても変わるはずないって思いますよね」
むしろマイナスな印象になってしまうんじゃないのかな……。
「さらっとは聞いてたけどさー、前髪で隠してたのなんで？すっげーもったいねーじゃん」
「そ、そうですか？」
「磨けばもっと光ると思うよ」
真剣なまなざしで前髪を切り、私の顔をパックしたり眉毛を整えたり。
どこかの美容院にいるようだった。
プロみたいだな……。
「はいできた。すげー大傑作！」
満足そうな顔で私に鏡を渡す。
恐る恐る覗くと、そこにはいつもと違う自分がいて。
前髪は流行に合わせたシースルーバング、無駄に多かった髪の毛も軽くなり肩まで短くなった。
眉毛は綺麗に整えられ、派手じゃない自然なメイクが私に合っていた。
「これ……私？」
前髪が短くなったおかげで世界が広くなった感じがする。
まだ恥ずかしさもあるけど、すごくすっきりした気分。
「……宇崎さんって噂と違うね？」
「噂、ですか？」
