黒い龍は小さな華を溺愛する。


「黒龍ねー、裏ではそう呼ばれてるっぽいけど。周りが騒いでるだけであいつは至って普通の人間よ?」


「あ、そーなん……」


「ただ、仲間とかあいつの大事なもんになんかしたりしたらガチで殺される勢いでやられんな」


だから昨日も友達がやられたって聞いてあんなに怒ってたんだ……。

人が変わったようで少し怖かった。


「でも俺はあいつのそういうとこが良いと思ってるから。夕晴のこと怖いって思うかもしんねーけど仲間思いだし、悪いやつじゃねーよ?背負ってるもんも色々あるし。首席だって簡単になったわけじゃねーし。努力した結果だから」


「背負ってるもの……?」


「あ、やべーしゃべりすぎた!首席っていうの知ってた!?」


「はい、でも内緒にしてって……」


「そういうのも知ってる仲なんだな、じゃあ大丈夫か」


紫藤くんは安心したように笑った。