「さっき言ってたろ、宗佑はああ見えて美容関係の道に進みてーらしいから得意なんだよ、だからあんたの外見を変えることくらいは余裕でできる」
「外見なんて……変わるんでしょうか」
「変わる。宗佑の腕は確かだから。まぁでも……外見が変わったところで中身が変わんなきゃ意味ねぇよな」
「……」
自分の性格を変えるのはかなり難易度が高い。
「んー、とりあえず……」
常盤くんが近づいてきて、私の顎を掴んで上に向けた。
「なっ」
「上向いとけ?」
暗かったけど常盤くんの顔は近いし、自分の顔はタコチューみたいになってるし、きっと本物のたこのように真っ赤だっただろう。
「く、首がいたっい」
「あ、わりぃ。あんたすげー小さいからしんどいな」
身長差があるから、常盤くんは下を向く感じになる。
そのせいで耳にかけていた常盤くんの髪が、サラッと下に落ちてきた。
月夜の光に照らされた笑顔に、また心を打ち抜かれてしまう。



