黒い龍は小さな華を溺愛する。


「おい、行くぞ」


突然常盤くんが私の腕を引っ張り、秋元から離して自分の背後に私を追いやった。


「常盤くん!?」


「待たせてわりぃな」


さっきやられた人の方を見ると、その周りで数人倒れていた。


な、なんで!?なにが起こったの!?


秋元と話をしてるうちに常盤くんが殴ったんだろうか。


手を捻挫してるはずなのに……。


あたふたしてると常盤くんが私を持ち上げてバイクに乗せてきた。


「常盤くん、あの人たち……」


「気にしなくていい。別に殺しはしてない」


いや、そうだろうけど……。


「捻挫したところは平気なんですか!?」


それに対して常盤くんはにやりと微笑むだけだった。


すると秋元が慌てた様子で私達の近くにきて


「と、常盤!その女……」


と、私を指さす。


舌打ちした常盤くんは秋元を無視してバイクに跨った。


「あいつになんか言われた?」


「ううん、ただ顔を……」


「見られたのか」


茫然とした顔の秋元をその場に残して、私達は勢いよく出発した。