黒い龍は小さな華を溺愛する。



その日の事を思い出しているのか笑っている。


「で、今日のメンツはあの時にいた奴らばっかだからビビってんだろ、また〆られると思ってな」


「そうなんですか……」


「ムカつくけどあいつに勝ったやつは聞いたことがねえ。だから余計に俺は勝ちてえと思ってんだよ」


秋元って人は怯えるどころか、この状況を楽しんでいるように感じた。


喧嘩が楽しいなんて信じられない、私には理解できない世界だ。


でもやっぱり常盤くんが喧嘩強いのは確かなんだな……。


その時ザァッと強い風が吹き、私の重い前髪も風でなびいた。


でも夜だし暗いからどうせ見えないだろうって思っていたのに。


隣にいた秋元が私の顔に見入って、固まっていた。



「え、あの……?」


「お、お前っ顔……」


ああ、見られたのか……。


どんな言葉を言われても、心の準備はできている。


「すげー美人じゃ……」