黒い龍は小さな華を溺愛する。


常盤くんの方を見ても顔色一つ変えず前を向いている。


横に来たバイクの人が「常盤ぁ!」と私達に向けて叫んだ。


「おい常盤!止まれや!」


他のバイクも私達の行く道を遮るように前に来て、邪魔をしてくる。


ぶつかりそうな距離に、私の心臓はバクバク大きな音を立てていた。


衝突したらどうしようっ……。


ハラハラしていると、常盤くんがスピードを落とし路肩に停車した。


そしてその周りを数台のバイクが取り囲む。


ものすごい音や光を出してて、それが余計に恐怖心を掻き立てられる。


常盤くんは私の方を振り返り「ちょっと待ってて」と呟いた。


すると一台のバイクが私達の側で止まった。


「てめぇよぉ、無視すんなよ!?」


そう話しかけてきた人は金髪で眉毛がない、いかにもヤンキーという風貌で。