「篠原さん、こいつらに飯食わしてやって、俺の給料から天引きしていいから」
常盤くんがそう言うと、一緒に来てた子達が『あざーっす!』と叫んでいたのでおじさんが笑った。
「一丁前に何言ってんだよ、金の事は気にすんなっていつも言ってんだろ?って……そちらのお嬢さんは?」
私に視線を移すとにこっと笑いかけられた。
明るくて優しそうなおじさん……篠原さんっていうんだ。
「同じクラスのやつ」
「お前が学校の友達連れてくるなんて紫藤くん以来じゃねーか?珍しいなー」
おじさんはにこにこしながら私を見ていた。
人に見られるの苦手だけどこの人はなぜか怖くない……。
と、目の前にいた常盤くんの腕を見て驚いた。
肘から下が大きく擦りむいて血が出ている。
さっきまで暗くて見えなかったんだ!



