黒い龍は小さな華を溺愛する。



「ああ、伊田は俺との賭けに負けただけだから。その罰ゲームがお前とのキスだったんだよ。俺らが別れる良い理由になったろ?まぁ伊田にはお前の浮気相手として悪役になってもらって、ちょっと悪かったけどな?」



「初めて……だったんだよ、私……」


「お前みたいなやつキスしてもらっただけでもありがたいと思えよ。あ、誰かに言うとか考えてんなら無駄だかんね?もし変なこと考えてんならー……」


そう言ってスマホの画面を開く。


そこには昨日撮られた裸の画像があって……


「やめて!」


スマホを奪おうと思ったがすぐさま腕を掴まれた。


「お前ごときが吠えるなよ、逆らったらすぐにコレSNSにばら撒くからな?全校生徒に見られたくねーだろ?」


「っ……」


「まぁ、良い暇つぶしになるわ」


相羽くんは勝ち誇ったような笑顔で「じゃーな」と背を向ける。