それなのに常盤くんときたら全く気にもしないでスマホをいじっている。


本当にすごいメンタルの持ち主……。


みんなが再びざわざわしだし、誰も私の事など見ていなかった。


とりあえずよかった、常盤くんのおかげでみんなは私のことなど忘れているようだった。



ふと席に座ろうとして気付く。


あ、私常盤くんの前の席だった!


どうしよう……。


でも意識するのも変か、さっきみたいに顔を見なきゃいいだけ……。


ささっと席に座ろうとした時、


「前の席?」


と、常盤くんに声を掛けられた。


私は後ろを振り返らないようにして「そ、そうなんです」とだけ答えた。


それっきり何も返って来ず、私は胸をなでおろした。


はぁ、背中がなんか疲れるけど今は相羽くんと放課後話すことを考えなきゃ……。