常盤くんの歩く速度が速くて足がもつれてしまう。
みんながいる場所から少し離れた茂みの中で常盤くんの足が止まった。
「あの……常盤くん……」
「絶対来んなっつったよな?」
「……ごめんなさい」
「どんだけあぶねーとこかわかってんの?もちろんいいヤツも多いけど今日は他のチームもきてるし。さっきの神楽のヘッドも裏でどんなことしてるか知らねーだろ」
怒り口調の常盤くんは少し怖いけど、私の事心配して言ってくれているのはよくわかる。
でも……。
「うん、何も知らないけど……それでも常盤くんの役に立ちたくて。さっきだって絵里沙ちゃんといたとき……困ってたでしょ?」
「見てたのか?」
「常盤くんが辛そうに見えたから……いてもたってもいられなくて」
「自分も怖かったのに?」
「え?」
「声も手も震えてた」
嘘……私、震えてた!?
そんなところ気付かれるなんて恥ずかしい。
「なんか情けないね……常盤くんの彼女ですなんて大口叩いてたくせに。恥だよね……」



