黒い龍は小さな華を溺愛する。


「まじ!?女できたの知ってると思ってた!」


紫藤くんが、やべぇ……といった顔をしている。


「こんな上玉隠してたとはねぇ、夕晴の女って感じするわー」


「あのっ!私、宇崎沙羅と申しますっ宜しくお願いします!」


金髪坊主さんに頭を下げると「ふっ」と鼻で笑われた。

なんか変だった!?



「え、マジで夕晴の女なの?見た目と違ってなんか……」



「沙羅ちゃんは根が真面目なんだよ!」



紫藤くんがフォローしてくれてよかった。

なんか外しちゃったのかな……でも自己紹介は大事だし……。



「へぇ、なんかいーじゃん!よっしくー!俺は相模原冨貴(さがみはらとき)でーす」



そう言い、手を強引に握られた。

冨貴くんって言うんだ、覚えとかなきゃ。


「冨貴、気を付けろよーそういうの夕晴に見られたら首が飛ぶぞ」


「は?手握っただけで?夕晴はそんな心狭い男じゃねーだろ!今までの女にはそんなことなかったじゃん」



今までの女……。

あんなにかっこいいんだから付き合ってた人も沢山いたんだろうけど……。

胸がモヤモヤする。