黒い龍は小さな華を溺愛する。




洗面所で着替えてみると、やっぱり短い。

へそが出てるじゃん!こんなので外出れるのかな……。

迷いながらも廊下に出ると、ばったり律くんと出くわした。


「律くん!リビングお借りしてましたっ……」


こんな格好の時に会うのはちょっと気まずい。

案の定律くんも驚いて、ちょっと引いてる……?


「どーしたの?髪とかもこの前となんか違くない?」


「うん……ちょっとね、これから出かけるんだ」


「夕晴と会うの?」


「まぁ、そう……だねっ」


「大丈夫?なんか沙羅さん無理してる感じだけど」


中学生の子にもわかっちゃうんだなぁ……。


「うん、この服着なれなくて……変だよね、ちょっと無理しちゃった」


「服じゃなくて……沙羅さん自身が無理してない?」


「え……」


「まぁ、別に大丈夫ならいーけど。夕晴の友達って結構クセ強い人も多いから。頑張って~」


手をひらひらさせながら自分の部屋に入って行った。

無理してるように見えちゃうかぁ……。

確かにちょっと前の私じゃ考えられない事沢山してるもんな……。

でも今日は常盤くんのためにも頑張りたいんだ。

常盤くんの隣にいても恥にならないような存在でいたい。

もう一度洗面所の鏡を見て気合を入れた。