二週間後、ついに集会の日がやってきた。
紫藤くんと計画を立て、常盤くんにバレないようにこの日を迎えた。
今日は行く前に鳳凰の二階で紫藤くんがメイクしてくれることになっていた。
常盤くんは学校が終わってから知り合いのバイク屋さんに行くとかで、鳳凰には寄らないらしいから絶交のチャンス。
私はクラスの子と遊ぶから送らなくていいなんて嘘ついちゃった……。
〝誰と?〟って言われたけどなんとかごまかしてバイバイした。
常盤くん、勘が鋭いから危なかった。バレてないといいんだけど。
篠原さんには常盤くんにサプライズしたいからということを伝えて、二階の自宅を貸してもらうことになった。
「いやー俺ハラハラしちゃった。今日まで無事に嘘つける自信なかったもん」
メイク道具をテーブルの上に並べながら、紫藤くんは笑っていた。
「紫藤くんおしゃべりだからバレちゃいそうだもんね」
「そうそれ!って……沙羅ちゃんそれいう?」
和やかな雰囲気でメイクが始まったけど、今夜の事を考えて内心ドキドキしていた。
初めての場所と人が大の苦手な私。
でも……常盤くんのために立派な彼女を演じ切るんだ。



