「あの2人を見るとあの日の事を思い出しちゃうし、許すことはできないけど……もう何もしてこないなら私も放っておきたい」
「わかった。でもまたなんかやってきた時は俺が納得いくまで制裁を加える」
「え!それは怖すぎるっ……」
思わず笑っちゃった。
そんな私を見た常盤くんが優しく微笑むから、ドキッとしてしまった。
「もう誰にも傷つけさせねーから」
「……っ!」
おでことおでこがくっついて今にもキスしてしまいそうな距離。
なにこれっ!火がついたように顔が熱くなる。
常盤くんは表情を変えず私のおでこに自分のおでこをくっつけたまま。
体も密着してるし私は逃げ場がない。
彼女のフリとはいえ、これはさすがに勘違いしてしまう。
「と、常盤くんちかッい……」
「あいつはさっきもっと近づいてたろ」
「こんなに近くないよ!」
手で押してもビクともしない。
「……俺が怖い?」
「えっううん、常盤くんを怖いって思ったことないよ」
いくら近づかれても、不思議と恐怖を感じたことなくて。
ドキドキだけがいつも増していくんだ。



